彼女の後ろからすぐに、香田くんが顔を出し

「なつさん!?」

と名前を呼ばれ、目の前の女性はその声に我にかえって、すぐに私に笑顔をむけた。

「あっ…。
すみません、はじめまして、香田明莉です」

頭を下げる彼女に私も笑顔をむけて会釈した。

「はじめまして、高山夏生です。
香田くんの奥様だよね?

結婚したのよね?

おめでとう、香田くん」

彼女の後ろに立つ彼に笑顔を向けると目を細目て微笑み

「ありがとうございます。
お久しぶりですよねなつさん。

どうぞ、上がってください」

香田くんの言葉に、すぐに明莉さんがスリッパを出して

「上がってゆっくりお茶でも召し上がっていってください」

と私を家へ招き入れてくれた。