浮気な彼と恋のマジックドライビング

決断するのにはかなりの勇気が必要だった。

一緒に過ごした八年はあまりにも居心地がよく幸せで楽しかった。

私の切り出した別れ話に柊は納得いかない顔をしていたが翌日から家に帰ってはこなかった。

残された荷物は柊がまたふらりと帰って来そうな期待を私に抱かせた。

別れ話をして一週間…。
柊から携帯にメッセージが届いた。

『俺がそのままそこに住むからなつが引っ越したら連絡して。

必要なものは全部持っていってかまわないから』

自分で別れを告げたくせに柊からのメッセージに涙があふれた。

本当にもう二度と会うことがないのだと声をあげて泣いた。