「片瀬、お前高山とずいぶん仲がいいよな」

「高山の担当はお前に任せたからな」

「えっ?」

なつが俺たちサッカー部の大事なマネージャーだとみんなが認め始めた時、部室で着替えていた先輩たちが声を潜めて俺に話しかけてきた。

「高山は男嫌いっていうか…男性恐怖症なんだよな。
あんなことさえなきゃ今も選手としてやってたのかと思うと可哀想だよな…」

「……」

押し黙っている俺に先輩たちなおも話続ける。

「女の嫉妬って怖いよな。

サッカーも上手いし美人だろ、妬まれて上級生がいじめたんだよ。

男を使って怪我をさせてさらに…ヤッちゃったって噂だよな。

だから男が近づくとビクつくんだよ。

まともに口聞いて近づいても普通にしてるのはお前だけだぜ片瀬」

先輩たちの話に頭を殴られたような衝撃がはしった。

「その話本当なんですか…」

絞り出すようにどうにかでた俺の声は震えていた。