俺の差し出した手に、恐る恐る自分の手を差し出した彼女の手を握ると一瞬ビクッと身体を震わせたが、気づかないふりをして彼女に笑顔をむけた。

『宜しくな、なつ。
俺のことは柊でいい。
サッカー部の友達第一号だ』

なつはサッカー部のマネージャーとして入部してきた。

ついこの間まで選手として走り回っていた彼女がサッカーに詳しいのは当然で、誰よりも気が利く彼女の存在はすぐにサッカー部の中でとても重要な存在になった。