さすがにそれは聞けなかった。

あいつにも言いたくないことが一つや二つはあるだろうし。

「あたしはずっと落ち着いた生活をしてなくて、恋をちゃんとしたことがなかった」

なんとなく、話したくなった。

「小学生の時以来、こんな気持ちになったの。だから、自分の気持ちに正直になりたい」

響は黙って聞いてくれた。

「……誰に何と言われようと、自分の気持ちを貫き通したいんだ」

響は鼻で笑った。

「お前の好きにすればいいじゃん。そこまで言うなら面白れぇ、見せてみろよ。お前の本気の恋を」

「上等よ。あんたに恋したくなる気持ち教えてあげる。見てなさい!」