西宮さんはあたしを部屋へ案内しながら話しかけてくれた。

「響お坊っちゃまは女性というものを知らなすぎるのです。現にメイドは一人も付けておられませんし」

メイドってあたしだけ!?

「それを心配された旦那様はこのような形で芹沢様をメイドとして雇われたのでしょう」

父さんのローン返済のためだと思うけど。

なんて、恥ずかしくて言えるはずもなく。

「何かお困りでしたら、私に何なりとお申し付け下さい」

西宮さんは荷物を置いてあたしの部屋から出ていった。

それにしてもメイドの部屋だと思えないぐらい可愛い部屋ね。

ここに住めるなんて夢みたい!

あの御曹司さえいなければなぁ。