響が楽しみにしていた体育になった。

男女別でやるんだけど、響は女子の群れの注目の的だった。

あたしも気がついたら響を見ていた。

軽やかな身のこなし、チームメイトとの団結力、正確なシュート。

普段の響にはない一面ばかりだった。

汗が輝いて見える。

響がシュートを決めたとき、ニコッとチームメイトに笑いかける姿は女子たちを虜にした。

そんな中、響と目が合った。

すると、響は軽く微笑んできた。

ドキドキして息も出来なかった。

その瞬間、響のことで頭がいっぱいになった。

え、あたしに微笑んでくれた?

嘘……。

なんで、こんなにときめくの?