「申し遅れましたが、響お坊っちゃまの執事を勤めさせていただきてます、西宮(にしみや)と申します」

バチバチしていたあたし達を収めてくれたのは案内してくれた執事さんだった。

こいつと違って優しくて素敵な男性ね。

見習えばいいのに。

「西宮、こんな無礼な奴に名乗る必要ない。それより、この犬を部屋に案内しろ」

「あんたねぇ!!」

「落ち着いて下さいませ。女性慣れしていないので緊張しているのです。どうかお許しください」

こいつが?

おかしくて笑っているとあいつに睨まれた。

「早く行け」

「はいはーい」

あたしは西宮さんの後ろについていった。