「響…………と芹沢さんだね。どうして君たちは手を繋いでいるのかな?」

なんて言えばいいんだろう。

「俺が頼んだんだよ」

「お前にも性欲があることが分かって安心したよ。その様子じゃ他にも何かしているんだろ?」

ぎくっ。

あたしの顔は真っ赤になっていった。

でも、響の顔色は変わらない。

「………もう帰っていいか?疲れたんだよ」

「そうだな。芹沢さんだけ置いていってくれるならね」

え?

「何でだよ」

「話がしたいからさ」

話って何だろう。

響は一瞬、名残惜しそうに手を離した。

「分かったよ」

そしてリムジンに乗り、西宮さんと帰っていった。

「立ち話もあれだから、移動しよう」

あたしはお父さんのリムジンに乗った。