「誰もそんなこと言ってない」

「帰ったら、必然的にそうなるんだよ。華と離れるのは嫌だ」

そんなの、あたしだって嫌だよ。

でも、このままここにも居たくない。

「…逃げてばかりじゃカッコ悪いよ」

響は何か言いたそうな顔をした。

「言いたいことがあるんなら、言いなさいよ」

無性に腹が立つ。

意気地無しにも程があるっつーの。

「…お前は俺んちを全く分かっていない」

「それならずっと逃げ続けるわけ?情けないと思わないの?あたし、響のそういうとこ大嫌い」

響は分かりやすくムカついていた。

「大体、響は分かってない。守られ過ぎて世間を知らなさすぎる。怖いものに立ち向かわないと何も始まらないの。いい?」

たく、ムカつきたいのはこっちだっての。