芹沢華(せりざわはな)、高一。

父さんのテキトーなところに呆れた母さんは出ていき、その上借金取りに追われる日々。

そんな最悪な日々を過ごしていたあたしはついに売られた。

売られた先は有名な名家、藤堂家。

国内のみならず外国でも活躍する企業の社長、藤堂さんの提案で住み込みメイドする羽目に。

もとはと言えば父さんが悪いわけで。

なんでこんなにも振り回されなきゃいけないんだろう。

うわ、デカ。

藤堂家は予想をはるかに超える大きさだった。

ギギー、と門が開いた。

「芹沢様、お待ちしておりました。どうぞこちらへ」

どうやら、リムジンで屋敷に向かうらしい。

リムジンで移動ってどんだけデカイんだ、この家。