「貴方が芹沢華さんね」

笑顔であたしを見てきた。

心では笑ってないよね、この人。

「ところで響が誰かとキスしてたらしいけど、まさか相手はこの子じゃないでしょうね?」

やっぱり見られてた。

「だったら何だよ?」

「あんたはバカなの!?こんな庶民と付き合って藤堂家をどうするつもりなの??」

「付き合ってねぇし」

「付き合ってないのにキス?あり得ないわ」

そうだよ。

あたしだってあり得ないと思ってる。

「遊びならやめなさい。今が潮時よ」

「こっちは本気だから」

え?

「なんて子なの?」

お母さんと響の言い合いの火種があたしなんて、罪悪感を覚える。

皆から注目されて恥ずかしいし。