空に向かって手を合わせていると、響がまじまじと見てきた。

「お前、何をそんなに願ったんだ?」

「……い、言えないっ!」

「どうせ恋のこととかだろ?」

「違いますー」

響のこと、なんて言えない。

「そういう響は?」

「秘密」

そう言って、口の前で指を立てた。

その顔がすっごくカッコよくて。

今までの響とは違うような気がした。

不意にドキドキさせるのやめて欲しい。

真っ赤になった顔を押さえながら、響の後を付いていった。