あの響が泣くなんて思わなかった。

あいつは声も出さず泣いてたけど、あたしの頭にぽたぽた雫が垂れたから分かったんだ。

でも、それだけ辛いってことなんだろう。

響が意地悪してくるのも寂しさの裏返しとか?

それならめっちゃお子さまじゃない。

「……さっきは、その、ありがと…な」

響めっちゃ照れてる!

「いいよ」

可愛いっ。

素直になれない子どもみたい。

「早速なんだけど、甘えてもいいか?」

は?

「お前、甘えていいって言ったじゃん」

頼っていいしか言ってない!

「だから、な?」

な?、じゃないわよ!