急いで巻藁のところへ向かうと

勝手(右手)につける蝶(かけ)をさした、

美波、莉乃、葵ちゃんが教えてくれた。

目黒 翔が的前に上がったと。

肝心の目黒くんはいない。

探していると、看的小屋といった弓の保管場所から出てきた。

おそらく、重い弓に変えるのだろう。

男子は女子に比べて、筋肉があるので重い方が合うことが多い。

目黒くんは体格がいい...というよりは、スタイルがすごくいいので12キロじゃ軽かったのだろう。

「目黒くん、的前おめでとう」

「ありがと。

あーあ、梓よりも早く上がろうと思ってたのに」

「そんなこと思ってたんだね」

そういうと、ぶすっとしたように

「俺、こう見えて負けず嫌いなの」

勉強もかかさず、ちゃんと部活にも来ている。

負けず嫌いなきはしていたが、実際本人からそういわれるとは思っていなかった。

「しってたよ」

お前に何が分かるといった虫けらをみるかのような目で数秒間見られた。

「梓、俺の一生のライバルな」

「なんでそうなる」

「俺、負けず嫌いだから」

「知ってる」

「ばーか」

あれ、目黒ってこんなにかっこよかったっけ。