驚きの連続のままにライブが終わり、

半ば放心状態。



2人で手を繋いで、彼は私を家まで送ってくれているけれど、

そういえば、言いたいことがあった。


「…ねぇ、真城くん、今日はごめんね」


そう言うと、「ん?」と彼は首を傾げて、「楽しかったよ?」と優しく言ってくれる。


「…でも、真城くんはかっこよくて目立つから、大変だったでしょ」


そう泣きそうになりながら言うと、

「ふふ」と笑い声がして、


甘い笑顔で、見下ろされる。


「…ずっと、桜は僕がハルトくんに似てるから付き合ってくれてるのかと思ってた」


「でも、今日の君を見てて、気づいたんだよね。」


そこで、

甘ったるい、糖度100%のキスを、された。


そんな至近距離のままに、色気たっぷりに、


「ハルトくんを見る目は『憧れ』だけど、」



僕を見る目は『大好き』って、目、してる。



そんな、『大好き』を確認するかのように落とされた2度目のキス。


真城くんは、やっぱり、推しになりたくないらしい。


私もやっぱり、この人が大好きらしい。


               おしまい♡