そんなこんなで私たちの束の間のお別れも終わり、彼はまた私を彼女にしてくれた。

どうやら風の噂で聞くことには、私たちが別れている間にものすごい数の女の子が彼に告白しに来ていたらしい…。

きっとその誰もが私より可愛くて、美人なんだろうなって、そんなこと分かってる。


だけど、どれだけ図々しくたって私は真城くんが好きなんだ。

この気持ちは誰にも負けないし、私が彼の隣にいたいから精一杯努力するって、そう決めた。


…と、決意を新たにして、気づけば7月。



7月といえば、実は。


「…『My.Light』のライブがあるんだよな〜」

学校も終わり、家でゴロゴロしつつ、
手にはチケット。

毎年だるそうな顔をしながらもついてきてくれるひなちゃんと行っていたから、今年も来てくれるだろうって思ってたのに…。


『その日塾の模試があるんだよね』


と、そういえば成績優秀者である彼女は無論勉強の努力も凄まじくて、模試だって毎回頑張ってる。

そんな彼女の模試をもちろん応援するんだけど、


そうなると私は一体誰と行けば良いのかという、身勝手な悩みが生まれてきた…。


頭の中で友達の顔がポンポン浮かんでくるけれど、その誰にも自分がMy.Lightのファンで、推しはハルトくんなんて言ってなくて。


どうしようかと思いつつ、
頭の片隅にある1人がずっと浮かんでいるけれど。


「…いや、真城くんは来ないよな〜」


普通、彼氏を自分の推してるアイドルのライブに誘う彼女なんていないよね…。

しかも、その彼氏は推しに似てるっていう何とも言えない感じ…。


だけど、他に私のそれを知ってる人はいないし、一応聞くだけ聞いておこうかな…。