言いたい、言えない、キミが好き。



「望月のことが……好きなんだ」


私の目を見て、そう言った。

す……き……?

パチパチと瞬きを繰り返す。

すき……って、今言った?
私のことが好き……?


「──えっ⁉︎」


やっと理解した私は、顔を真っ赤に染める。


「えっ、あのっ」


何が何だかわからなかった。

だって、田澤くんが私を好きなんて!
そんなの、そんなの──。


予想もしなかった告白に頭の中がぐるぐるして、何て答えればいいのかわからない。

ただ、私の後ろにはもうひとり……もうひとり、この告白を聞いている人がいることを、忘れてはいなかった。


「あ……」


私は──。

勇気を振り絞って、口を開こうとする。だけど、


「返事はすぐじゃなくていいから」


田澤くんの言葉が先に、覆い被さった。