ここまで来ておきながら、今更嫌だなんて空気の読めないことは言えない。

朱里の腕を握る手を、そっと離して渋々箱の中に手を伸ばした。

何か番号が書いてあることは、周りの反応からわかっていた。
そして、その番号が出発する順番になることも、配りながら説明されていた。


「げっ! 1番なんだけど!」


私より先に引いた梨花が、少し引きつった顔で言う。


「実優は実優は?」


続けざまに訊ねられて、私は引いたばかりのくじを開いた。


「えっとね……7番」

「おっ、いいな! ラッキーセブンじゃん!」

「……」


こんなので7を出したって、何がラッキーなのかわからない。


「相手誰だろうねー?」


1番で「げっ!」なんて言いながら、わくわくした様子で言った梨花。


誰と当たったって、私の場合変わらない。

誰でもいいよ……って、心の中で思った。


だけど、1番から順に手を挙げて作っていく男女のペア。


「じゃあ次、7番の人!」


呼ばれて私と一緒に手を挙げたのは……田澤くんだった。