「肝だめしっていうより、虫とかヘビの方が怖いんだけど……」
「へっ、ヘビっ⁉︎」
ボソッと呟いた梨花の発言に、私は肩を震わせる。
怖いものがもうひとつ追加された。
ぎゅっと掴んだ朱里の腕を、もう絶対に絶対に離さない……そう決意した、そのとき。
「で、普通に仲の良いもん同士回っても面白くないので、今からくじで男女一組のペアになってもらいまーす!」
……え。
今、何て言った?
男女一組の……ペア?
聞いた瞬間、頭の中が真っ白になった。
何の疑問ももたず、朱里と梨花と回れるんだと思っていた私。
それが特に仲良くもないクラスの男子と一緒だなんて……。
「実優、大丈夫?」
今度声をかけてくれたのは朱里。
私はぶんぶんと首を横に振るけど、くじはもう回りはじめていて。
あっという間に私達の手元まで、くじの入った小さな箱はやってきた。



