「はぁ……」


小さなため息をつきながら、担任の先生からの朝の連絡を聞く。
ううん。耳だけ向けて、頭の中に内容は入って来ていない。

結局、誤解は解けなかった。

私は田澤くんのことが好きだと、ふたりに認識されてしまった。

何であのとき目を向けちゃったんだろう……って、違うか。
ちゃんと言えなかった自分が悪いんだよね。でも……。


『前原のわけないよねぇ……あいつ全然喋んないし』


思い出される梨花の言葉。
あんなふうに言われたら、とてもじゃないけど言い出せない。


好きなわけじゃないけど、気になっている人がいて。

それがその……前原くんなんだってこと。