「っ……」
さっきやったばっかりなのに、またやっちゃったと、恥ずかしさで俯きつつも、
「すごいなって思って見てたの」
思ったことを素直に声に出した。
「勉強とか私は全然出来ないから、魔法みたいだな……って」
「魔法って」
そんなすごいものじゃないよと、謙遜して前原くんは笑うけど、そんなことない。
「ううん、すごいよ。私なんかこの前のテストで英語、赤点ギリギリだったもん……」
思い出すと自分で自分が虚しくなる。
かろうじて補習は免れたものの、あんな点数久しぶりに見た。
「望月さんって、そんなに成績悪いイメージじゃなかったけど……」
「英語は本当にダメなの」
英語……それだけは、どうしてこんなに出来ないんだろうってくらい、他との差が歴然。
つい最近担任の先生にも指摘されていたことで、がっくりうなだれる。
「そっか……」
短く相づちを打つ前原くん。
あ……意外と馬鹿なんだって、もしかして呆れられちゃった⁉︎
「でもっ……」
国語は得意なんだよって、自分でもよく分からないフォローを入れようとしたときだった。



