それに、話をすることは叶わなかった。
あのときのことを説明することも、謝ることも、まだ出来ていない。
せっかくのチャンスだったのに、何やってるんだろうー……と、そのまま力なくしゃがみ込む。
……でも、根本的には何も解決していないけど。
前原くんに、声をかけることが出来た。
変なやつだと思われても、前原くんが私のことを嫌いになっていたとしても、私は前原くんのことを嫌いなんかじゃないって、伝わっていればいいなと思った。
そして次こそは、ちゃんと話がしたい。
そう思った私に次のチャンスは、それから数日後に到来した──。



