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「ほんっとにごめん!」
両手を合わせてギュッと目をつむり、心から申し訳なさそうに梨花に謝られたのは、その日の放課後のこと。
「そんなに気にしなくてもいいよ」
校門を出てすぐの場所で、笑って私が言うと、「でも……」と、梨花が言葉を濁らせた。
本当は今日これから、梨花の家で勉強しようって話になっていた。
それがついさっき、【部活なくなったから、今日会えない?】って、彼氏さんからスマホに連絡が届いたみたい。
「実優が先約だから!」と、口では言ってくれたけど……梨花の表情は、彼氏に会いたい気持ちが見え見えで。
「勉強はまた明日にしようよ」と、私から提案してあげたのだ。
「早く行かないと彼氏さん待ってるんじゃない?」
「うん、そうなんだけど……。 あー、明日朱里に怒られるだろうなぁ」
しゅんとする梨花に、その意味が一瞬分からなくてキョトンとしたけど、すぐにピンときた。
朱里はいわゆる姉御肌で、恋愛より友情第一という感じ。
そんな朱里が、梨花が私との約束を取り消して彼氏と会ったと知ったら、確かに「はぁ!?」って怒り出しそう。



