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……また、やってる。
ニヤニヤと笑う顔。誰の下駄箱の前で、彼らが何をしているか分かったから、私は不快感から眉を寄せた。
でも、『いい加減やめなよ』って注意したいのに、声が出なければ、足を動かすことも出来ない。
「マジ汚ね!」
「俺、こんなん履いて帰るとか無理だわー」
言いながら、クスクスと笑う男子達。
先生でも通りがかればいいのにと、周りを見渡そうとしたときだった。
「あっ、おいっ!」
何かに気付いた、そんな声をひとりの男子が上げ、バタバタと急いで私の横を通り過ぎて行った。
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