言いたい、言えない、キミが好き。



翌日。登校してきたばかりの私に、真っ先に声をかけてきたのは梨花。


「読んだ!?」

「へ?」

「マンガ!」


『おはよう』よりも先に飛び出した言葉に、少したじろぎながらも、何のことだかすぐに分かって、「うん」と返事しながら、カバンの中からそれを取り出した。


「ありがとう!」


満足そうに微笑んで、「じゃあ」と自分の席へと戻っていく梨花。

呆気に取られてポカンとしていると、


「おはよ」


ポンッと私の肩を叩いて挨拶してくれたのは、朱里だった。


「マンガばっかり読んでないで……とか言ってたくせに、すっかりハマっちゃったみたいだよ」


席に着いてマンガを開く梨花の姿を見ながら、朱里が苦笑する。


「そうなんだ」


梨花らしいと言えば梨花らしくて、相づちを打ちながら私も苦笑していると、


「続き、めっちゃ良くなかった?」


と、朱里が聞いてきた。