言いたい、言えない、キミが好き。



「結局さー、望月さんって前原とデキてたんじゃない?」


きっとわざと。渡辺さんは私に聞こえるように……ううん、教室中に聞こえるように、そう言った。

そのわざとらしい大声は、さすがに梨花も無視できなかったみたい。


「はぁ!? 黙って聞いてれば良い気になって!」


ガタンと音を立て、勢いよく立ち上がった梨花。

朱里も今までに見たことのないような怖い顔をして、渡辺さんを睨みつけていて。


「いいよ、やめて!」


私は慌ててふたりを止めた。


「でも!」


納得いかないといった表情で、私を見る朱里と梨花。

そういえば、前にもこんなことがあったな……って、ふと思い出す。


あのときは言えなくて、嘘をついた。
一番ついてはいけない嘘だった。

だから……。


私はふたりに「大丈夫」と、微笑んでから、ゆっくりと渡辺さんの方を向いた。


「……うん、そうだね。デキてたって言った方が早いかもね。私は前原くんのことが好きだから」