「いいなぁ。これでふたりは彼氏持ちかぁ」
少し寂しそうにつぶやく朱里。
「だから!まだ彼氏じゃないってば!」
私が慌ててそう言うと、
「「まだ?」」
ふたりは声を合わせて、にやりと笑って私を見た。
「ーっ、もうからかわないでっ!」
ぐるんと、ふたりに背を向ける。
好きな相手が誰であろうと、私はからかわれてしまう運命らしい。
もうほんと、恥ずかしくて顔から火が出ちゃいそう。
だけど……嬉しい。
これからはふたりに、普通に恋の相談が出来ること。
そして……。
手の中のスマホをそっと見れば、【また連絡するよ】と書かれたメッセージ。
……また。
さよならじゃない。
それは、“これから”があるっていうこと……。
『引っ越すけど、4月には自分だけ戻って来ようと思ってる。そしたら、そのときにまた……』
あのとき前原くんが言ってくれた言葉を、信じてもいいってことだよね……。
4月になったら。
春に、なったら……。
そう思うと嬉しくて、幸せだと感じた。
だから──。



