「……まさか取ってないの?」
少し驚いた様子で言った梨花に、私がこくんと静かに頷くと、
「何やってんの! 連絡先は!? 知らないとかないよね?」
「それは知ってるけど……」
「じゃあ、連絡しなきゃ!」
「ケータイは!?」と、私の腕を引いて立ち上がり、ものすごい勢いで部屋を見渡す。
そして机の上に置いていたスマホを見つけると、
「ほら!」
それを手に取って私に差し出した。
「え、今から?」
「当たり前じゃん! このままさよならになっちゃってもいいの!?」
「それは……嫌だけど」
「だったらほら!」
梨花に強く急かされて朱里を見れば、梨花の意見に同意するみたいに頷かれて。
あぁもう恥ずかしいなぁ……。
私は顔を赤くしながら、ずっと入れられなかった電源ボタンを長押しした。



