「ひとりだったら正直、どうするべきか迷ってたかもしれない。でも、朱里もいるから大丈夫って思ったの。……ごめんね、あたし達ずるいよね」


そう言うと、


「実優はすごいね」

「ひとりで立ち向かうんだもんね」


梨花と朱里は口を揃えて、私の行動を褒めてくれた。


……違う。

違うよ……。


「そんなことない、すごくないよ……。私、ずっと言えなかったもん……」


私もふたりと同じ。

迷ってばっかりで、前原くんと仲良くしていたことすら、言うことが出来なかった。


「本当にすごいのは前原くんだよ……」


自分が一番苦しい思いをしているのに、いつも私を気遣ってくれた。


そしてそれは本当に最後まで……。


こうして自分がいなくなった後のことまで考えて、行動してくれてるんだもん。

彼の優しさを思うと、また涙が込み上げてくる。


ありがとうって感謝の気持ちを伝えたいのに、そんな小さな願いすらもう叶わない。

寂しくて悲しくて、そのまま黙りこんでうつむいてしまった。そんな私に、