今ごろふたりはどうしているんだろう。
受験に備えて、運動部はほとんどが引退しており、朱里もこの前引退したから、たぶん梨花と一緒にいる。
私のこと、何て言ってるかな……。
そもそも話題にもなってなかったらどうしよう。
こうしている間にもふたりとの距離が開いてく気がして、置いてけぼりになった気分で、胸の奥が苦しくなる。
学校を休んだのは私なのに……本当に勝手だ。
テレビのニュースの内容なんか頭に入ってくるはずもなく、私はソファーに座ったまま両膝を抱えてうつむいた。
ひとりだと嫌なことばかり考えてしまう。
早くお母さん帰ってこないかな……。
まるで子どもみたいにそう思ったときだった。
ピンポーン。
突如響いたインターホンの音にビクッとして、顔を上げる。
誰だろう。
お母さんが鍵忘れちゃったとか……?
「……はい」
仕方なくインターホンの受話器を取って出てみた。すると、
『あ、すみません。実優さんの友達の上村と申しますが……』
え……?
聞こえた声、それから名前に耳を疑わずにはいられなかった。



