──それから、いつの間に眠ってしまったんだろう。
気がつくと部屋の中は薄暗くなっていて、時計を見なくても夕方だとわかった。
病気でもないのに一日中寝ていると、さすがに頭がボーっとする。
それに朝から何も食べてなくて、お腹も空いてしまった。
そろそろお母さんに顔見せておいた方がいいよね……。
そう思って、リビングへと向かおうとしたとき。
パタパタと近付いてくる足音が聞こえたと思ったら、コンコンと次には部屋のドアをノックする音。
「実優? お母さんちょっと買い物に行ってくるから」
「あ、うん……」
せっかく部屋を出ようと思ったのに、そのタイミングでお母さんは外出してしまった。
……もうちょっと早く起きれば良かった。
家の中にポツンとひとり。
静かなリビングに立って、そう後悔する。
とりあえず冷蔵庫の中から麦茶を出すと、コップに一杯注いでからソファーに腰掛けた。
物音ひとつしない静けさが嫌で、テレビを点けると夕方のニュース。
いつも教室でおしゃべりしたり、梨花に付き合ったりしてるから、学校から帰るのはもう少し遅い時間。
こうしてニュース番組をまじまじと見ることはなくて、何だか不思議な感じ。



