「もうやめてっ! いい加減にしてよ!!」
私は自分が出せる精一杯の声で、そう叫んだ。
昨日、前原くんからの置き手紙を読んだとき、自殺するんじゃないかと不安になったのは、私がいじめられている立場だったら、自殺を考えてしまうかもしれないと思ったから。
つまり、それだけ酷いことをされていると知りながら、私は見ているだけだった。
前原くんのことが好きなのに、ギリギリになるその直前まで、見ているだけだった。
自分に危害が加わらないところで、見ているだけだった──。
前原くんに謝罪しても、嫌われていないことを知っても、モヤモヤした気持ちのままだったのは……根本的に自分が何も変わっていなかったから。
周りの目を気にして本当のことが言えない、自分の大嫌いな部分がそのままだったから、ずっとモヤモヤしていたんだ。
「み、実優……」
「望月……?」
目の前の朱里たち、前原くんをいじめていた男子、クラスメートのみんなが目を丸くして私を見る。
無理もない。
誰も何も言えない空気の中、いきなり叫んで立ち上がって、ボロボロと涙を流しているんだもん。
だけど後悔はしていない。
だって、間違ったことはしていないから。
今度こそちゃんと本当の気持ちを言っているから。



