言いたい、言えない、キミが好き。


意識すればジンジンと、膝の傷はまだ痛い。

でもこんなの、私が前原くんにしてしまったことを考えたら、どうってことない。

それに……本当に謝らなきゃいけないのは、私の方。


「ごめんなさい。私、自分で言うって言ったのに、朱里たちに付き合ってないって……」


再び言葉にすれば、罪悪感でポロポロと涙が溢れ出す。


「なっ、泣いて許してもらおうとか思ってるわけじゃないの。私っ……」


そう言いながらもしゃくり上げてしまうし、もう自分の気持ちをどう伝えたらいいのかわからない。

すると、スッと抱きしめられていた温もりは離れた。


とうとう呆れられちゃったかな……。

そう思ってゆっくりと顔を上げると、


「付き合ってないから。付き合ってなかったから、望月さんは何も悪いこと言ってないよ」

「え……」


優しく言ってくれた前原くんの言葉に、戸惑ったのは一瞬。


「好きとは言ったけど、付き合って下さいとはまだ言えてなかったからさ……」


前原くんは、はにかんだようにそう続けて。