言いたい、言えない、キミが好き。



震える声を絞り出した。

ものすごく真面目で、本気だった。


……それなのに、


「え……自殺?」


当の本人はというと、目をパチパチさせて驚いた顔をしてる。

その様子は、まるで私が突拍子もないことを言い出したかのよう。


「だ、だって手紙に……」


付け足すように声を漏らすと、前原くんはやっと思い出したみたいに「あぁ……」と、相槌を打ってくれた。だけど、


「ありがとう。でも、自殺なんかするつもりはないから大丈夫だよ。それよりケガの手当てをしないと……」

「立てる?」と、私の腕を掴んで、手伝おうとしてくれる前原くん。

「あ、うん……」


自殺なんかするつもりはない……って。
それじゃあ、私の勘違いってこと?

でも……。


「とりあえず、学校に戻ろうか?」

「えっ……ううん!このくらい大丈夫!平気だから! えっと、その……」


立ち上がった私は、ぎゅっと前原くんの袖口を掴んで言葉を濁した。

本当はジンジンと傷口が痛む。

でも学校に戻ったら誰かがいて、保健室には先生がいて、きっと前原くんとちゃんと話すことが出来なくなるから……戻りたくなかった。

そんな私の気持ちに気付いたのかわからない。


「……じゃあ、ちょっとだけ我慢して歩ける?」


前原くんの言葉に、私は大きく頷いた。