言いたい、言えない、キミが好き。



ガシャンッ!と、突然響いた大きな音。

その物音にびっくりして、一秒前まで騒がしかった室内が静まり返る。


「なに……」


梨花のつぶやくような声を耳に、私も振り返り、音のした方に目を向けた。すると、


私の目に映ったのは、倒れた机。

そして、散らばったお弁当の中身。


「あー……わりぃ、ぶつかっちゃった」


ボールを片手に教室を出ようとしていた男子が、ポンっと軽く肩を叩いて謝る。


その相手は……前原くん。


倒れた机を目の前に、箸を持って椅子に座っていたのは、前原くん。