そういえば、噂になってるとか言ってたっけ……。
もうすぐ先生が来ることもあって、みんな比較的静かではあるけど……意識してみれば、ものすごく視線を感じる気がする。
ううん、視線だけじゃない。
ひそひそと話し声も聞こえる気がする。
あぁ、もうやだっ!
注目されるのに慣れてない私は、ただただ恥ずかしくて。俯いて、机の下の膝の上、ぎゅっと握りこぶしを両手で作る。
前原くん、もう来てるよね……。
思いがけないところで広まっていた、田澤くんの告白。
今の状況を、前原くんは一体どう思うだろう。
変な誤解とか、されてなきゃいいけど……。
彼のことが気になりながらも、クラスメート達の好奇心の目が突き刺さるようで、姿を確かめることさえ出来なかった。
でも、噂の的となった私に向けられたのは、好奇の目だけじゃない。
それをすぐに思い知ることになった。



