言いたい、言えない、キミが好き。


私が口を開こうとした瞬間、


「もう何で言ってくれなかったのっ⁉︎」


梨花が怒ったように頬を膨らませた……と思ったら、すぐにフッと微笑んで。


「実優、おめでとう!」


私の体をぎゅーっと抱きしめた。


「え……」


おめでとう……って。


「まさか実優がねぇ」


言いながらクスクスと笑う朱里。

ふたりから漂うのは、祝福ムード。


……ちょっと待って。
もしかして勘違いされてる……?


「ご、ごめんっ」


私は半ば無理やり、梨花の腕の中から脱出した。そして、


「私は田澤くんと付き合ってないし、これから付き合うつもりもないよ⁉︎」


ふたりに向かって声を張り上げた。


「「え……?」」


案の定、驚いた顔をする朱里と梨花。

たぶん、言うならこのタイミング。
このタイミングしかない。

この際、はっきり言わなくちゃ。


「私はっ……」