質問を質問で返された前原くんは、「えーっと……」と、言い出しにくそうな声を出す。

ごめんなさいと心の中で謝罪しつつ、何だろう……と、いつもと少し違う彼の様子に、ドキドキしながら続きを待った。

すると前原くんは、私と一度目を合わせた直後、すぐに逸らして。


「望月さんはどうすんの?」


と、聞いてきた。


「どうするって?」

「田澤くんのこと」

「えっ、あっ⁉︎」


びっくりしすぎて、声が裏返る。

田澤くんのこと。
それはつまり、あの告白のこと。


そうだった。前原くんに会うことに一生懸命で忘れていたけど、そのことについても気になっていたんだ。

あのとき、返事しそびれちゃったから……だから。


「どうするも何も……たぶん冗談だよ」


未だに実感がわかない。
だって、田澤くんに好かれてるなんて、やっぱりとても思えない。

考えられるのは、冗談とか罰ゲームとか。


……うん、それだ。

それで間違いないって、自分自身の中で納得しかけた……ときだった。