「気をつけてね!」
「うん、朱里達もね!」
バイバイと手を大きく振って、私はふたりに背を向けた。
そして、今歩いてきた道を急いで戻る。
そのまま神社まで帰ったら、まだ誰か残っているかもしれない。
そう思った私は、肝だめしをした道を逆から進もうと考えた。でも、
「っ……」
あの不気味な脇道の入り口。
そこで思わず足を止める。
だって、灯りのひとつもない。
わかっていたことだけど、この道をひとりで進んでいくなんて……怖くて不安すぎる。
前原くんは本当にまだ残ってるのかな……。
もしかしたらもう帰っちゃってるんじゃないの?
あまりの恐怖に引き返すことも考えた。
だけど、ここまで来たちゃったんだもん。
大丈夫。一本道だったから迷うことはない。
それに──。
ええいっ!
心の中で大きく叫んで、私は飛び込んでいった。
自分のしていることが信じられない。
前原くんが帰っていたら、どうするんだろう。
だけど……でも!



