透明な海



「ああそうだ、おれの通ってる学校について訊かれてたね。おれは、都内の私立校に通ってる。電車で三十分、徒歩で数分」

「偏差値は?」

「低いと言われたことはないかな」

潤は苦笑した。「遠慮しねえんだな」

「事実を言ったまでだよ」

「うん、お前に友達がいない理由がぽろぽろ見えてきてる」

「本当? 鋭いね、露木君」

「お前が鈍いんじゃねえの?」

「そうかもしれない」

「そんで、都内の決して偏差値は低くない私立校だっけ……。うん、いっぱいあるんだろうな」

「偏差値なんてあいまいな数字だと思うけどね」

「そうか?」

「例えば偏差値五十の学校。そこには、五十を超える偏差値の人ならいくらでも入れる。ああ当然、人数的な問題はあるけどね。でも偏差値だけの話なら」

「まあ、そうだな?」

「あいまいじゃない?」

「まあ……」

ごめんね、と十織は苦笑した。

「深い意味はないよ」