透明な海



他の学校も同時に夏休みを迎えたのか、モール内は同年代と思しき集団が多かった。

その集団はフードコートに特に見られ、あちらこちらでファストフードを食べていたり、書籍や携帯電話に向き合っていたりする。


潤はカウンターの端の席に着いた。

テーブルに宿題とノート、消しゴムを出し、シャーペンを握った。鮮やかな黄緑色のそれは、小学生の頃から愛用しているものだ。他にも三本、黄緑や緑色のシャーペンを持っているが、これが一番気に入っている。


ノートを一ページと半分ほど黒くした頃、いくつか先の席に二人組の少女が座った。

一方は濃いピンクの半袖のパーカーを、もう一方は黒のティーシャツにカーキのオーバーオールを着ている。オーバーオールの少女の耳で、ソフトクリームを模した飾りが揺れる。

オーバーオールはこの頃、サロペットと呼ばれているらしい。数日前に静香が言っていた。


潤は何度かシャーペンを回し、問題集に視線を戻した。

よくこんなにも同じような問題ばかり作れるなと、集中力が切れたことに言い訳する。

あくびをして確認した携帯電話は、まだ勉強開始から三十分しか経過していないことを知らせた。