透明な海



流れる道端を鮮やかな花々が飾っている。視覚が認めると同時に、その名が頭に浮かぶ。


赤い屋根のその家に着くと、少ししてアキが出てきた。あくびしたあと、彼は伸びをする。

「おはよう」と声を掛けると、アキは「ああ」と頼りない声を返してきた。

「昨日夜更かししすぎてよ」

「何時まで起きてたの?」

「三時頃までは起きてた」

「おや。それは大変だ」

「いや本当。まじ眠い」

学校着いたら速攻寝るわと言って、アキは門を出てきた。

お邪魔しますと十織は中に入り、自転車を置いた。


改札を通ると、後方から驚いたような声が聞こえた。

アキは小さな隔たりの向こうで苦笑し、「眠気覚めた」と続けてきた道を引き返した。