透明な海



店を出て、潤は「最悪」と声を発した。

「あの中途半端に涼しい店内からこれはきついっしょ」

「いい環境に慣れるのは早いからねえ」

「まじでこんで明日から学校とかごめんなんだけど」

「まあまあ」と笑って、十織は体ごとこちらを向いた。

「どうした」と返して、潤も十織の方を向いた。

「ありがとうね」

「……おう」

十織は純粋な笑みを浮かべた。

「夢、全部叶った」

「おお、そりゃあなにより」

間に合ったなと潤が笑うと、十織はうんと笑顔で頷いた。

そして右手を差し出す。

「これからもよろしくね、潤」

潤は自分の顔にふっと笑みが浮かぶのを感じた。

「ああ、こちらこそ」


またラーメン食おうぜと言って、潤は十織の手を握り返した。