透明な海



「いやあ、いい夏休みだったよ、本当に」

「へえ。せめて最終日くらい涼しくなってほしかったわ」

「どこかに涼みに行く?」

「この時代涼しい場所なんかねえだろ」

「まあ、そうかもしれないけど。コンビニでアイス買うとか。コンビニって結構涼しくない?」

「そりゃ外よか涼しいけどよ……」

「今日はどうしようか。最後だから大切に過ごしたいね」

「まあなあ。つか明日月曜日だし。いやなんで今日日曜日かな。チョイス間違ってね?」

「なんのチョイス?」

「曜日」

「まあまあ。これも一定の順で巡ってるから」

「切ねえだろ。高校二年生とかいう一番気楽な年の夏休みにこれって」

「そうだね」

「思ってねえだろ」

「あんまり」

十織は「ばれたか」といたずらっ子のように笑みを見せる。

熱風が前髪を揺らす中、潤は体の中心に振動を感じた。

「腹減ったな」

「そうだね」

「今金ある?」

「まあ普通に」

「ああそう。……よし、ラーメン食いに行こうぜ」

潤が言うと、十織は「そうだね」と笑みを見せた。