「いいか、お前はちょっと自分に自信を持て。お前は女子が好きになる要素を結構持ってる。七瀬はおれが思うになんだかんだで平均的な女子高校生だ」
「可能性は無限っていうのをおれ、肝に銘じて日々生きてるんだよ」
「それがどうした」
「可能性は無限。ということは、ななは一切おれに興味がなく、むしろななの方がおれの反応を見て楽しんでるっていう可能性も否定はできないわけで――」
「ああうっせうっせ」言いながら、潤は虫を払うように大きく手を動かした。
「お前いつからそんな被害妄想系男子なんだよ。『可能性は無限』なんだろ? なら、七瀬が本気でお前のことが好きっつう可能性だってあんだろうが。これだって、完全に否定できる証拠のようなものはない。一回落ち着けって。冷静に考えられんのが長所なんだろ? 今こそそれを活かすときだろうが」
「でも……」
「『でも』じゃねえよ。自信持てって。失恋したくらいじゃ死なねえから安心もしろ。まあおれ失恋したことねえけど」
「なな……なながおれを好きになる理由なんかどこにある?」
「知るかよ。そんなん、考えられる可能性なんか無限にあんじゃねえの?」
「うーん……」
潤は大げさにため息をついた。「よしわかった」と声を続ける。



