透明な海



「えっじゃあ、反対に得意なことは?」

「パズルかな。あと、ミシンを除く機械の扱いも」

「へえ。パズルはどんなのでも?」

「ある程度は。ジグソーから立体まで」

「へえ。おれはそういうの無理だなあ。途中でわけわかんなくなって無になる」

「ああ、確かにストレスに感じる人もいるよね。おれは完成したときの達成感が好きで」

「へええ。辛抱強いんだろうな」

「露木君は? 得意なこと」

「得意……じゃあ、料理にでもなんのかな。レシピ通りだけど」

「料理できるのってやっぱりかっこいいよね。この時代、男も普通に台所に立つから」

「でもお前くらいにもなれば、女も去っていかなそうだけどな」

「そう?」

「結構女受けよさそうだし」

「ええ、そうかなあ……。初めて言われたよ」

「まじか」

本当、と十織は肩をすくめて苦笑する。