透明な海



玄関の鍵穴に鍵を挿し、反時計回りに手首を回した。

玄関に入り、靴を脱いで廊下に上がる。


私室に入り、潤は服を脱いだ。

黒と緑の上下セットのジャージに着替え、脱いだ服を持って私室を出る。


脱衣場で口を開けた洗濯機に服を放り、水量を確認して洗剤を入れて蓋を閉める。


リビングでは、静香がシュークリームをかじっていた。

「うまい?」と気まぐれに声を掛けると、「期限昨日までだった」と苦笑が返ってきた。

「そんなことどうでもいいから、蜂蜜レモン作って」

「どうでもいいか」

「どうでもいい」

「そうか」

「早く」

ほらほらと顎をしゃくる静香へ「はいはい」と頷いて、潤はキッチンに入った。

「温かいのでいいんだろ?」と問うと、「昼間の気温三十度越えだけど」と低く返ってきた。

小さく苦笑して、潤はグラスに氷を入れる。