こぼれた恋心2 ー2人のそれからー


「どこに行くんだよ」
オレは何故か後輩に腕をグイグイ引っ張られて街を歩いている。
「そんな嫌な顔しないでくださいよぉ、乙女と歩いている顔じゃないですよー」
「お前、さっきから『乙女、乙女』って言ってるけどさ……」
「あ、その先の言葉吐いたら先パイでもブン殴りますからね!私はいくつになっても乙女なんです!」
「そーですか」

しばらく歩くと本屋に着いた。
「何?お前、本屋に何か用なの?」
オレは本屋にはあまり入りたくないので、出来るだけトゲトゲしい言い方をした。


「いやー、別に私だって先パイと本屋に入りたいわけじゃないんですけど、話があるから」
後輩はオレの背中をグイグイ押して本屋に連れ込む。
「話ならそこらへんで出来るじゃん。ほら、コーヒーとか飲む?」
「先パイとコーヒーなんか飲みませんよぉ」
後輩はケラケラ笑いつつ、背中を押す力は緩めない。