こぼれた恋心2 ー2人のそれからー

「最低だよな」
オレは呟き、大きなため息をつく。
美空とは別れてしまった。
☆☆美術専門予備校の女の子と少し付き合ったけれど、その子ともすぐ別れた。
今まで何人かの女の子と付き合ったけれど、頭の中に美空が引っかかっていた。

美空と別れた理由は身勝手だった。
最低だった。
傷つけてしまった。

友達は何のことかわからず不思議そうな顔をしていたけれど、そのまま何も聞かずそっとしておいてくれた。


「オレ帰るわー、明日も仕事早いし」
友達はしばらくビールを飲んだあと、そう言ってオレの部屋から出て行く。
「またな」
オレは短く別れの挨拶をして、洗面所に向かい歯を磨く。




翌日。
オレはいつも通りに職場である、私学の共学高校に向かった。
そこで美術を教えている。
……と言っても、オレの授業を熱心に受けてくれる生徒なんて少ないんだけど。


仕事が終わり、オレは電車に乗って家に帰る。
県内の移動でもわりと遠いので、電車に揺られているうちに寝てしまう。
下りる駅で目が覚め、慌てて下車する。